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時計修理オーバーホール 部品について(純正部品/ジェネリックパーツ)

交換部品についてよくご質問頂く「交換部品は純正品ですか?」についてお話させて頂きます。弊社ではオメガを中心に色んなメーカーの純正部品をストックしておりますし、手配して入手出来る物もヨーロッパも含めて多数ございます。

 

しかしながら、当然全てのメーカーをカバー出来るわけでは有りませんし、手配したくても入手出来ないメーカーも存在します。通常純正部品とは、お預かりしたメーカーがそのモデル用に出している部品。となりますが、実はそんな部品は中々一般には出回りませんし、出回ったとしても入手出来る価格が異常に高い、、なんて事も多いのです。

 

マニファクチュール(完全自社生産メーカー)を除き、ムーヴメントを供給している会社は数社しか存在しません。(ムーヴメントだけを生産している所と、ブランドを持っていて他社にムーヴメントを供給している場合も有ります)各社そのムーヴメントをカスタムして(またはカスタムを依頼して)独自のモデルとして発表しています。カスタムの方向も様々で、精度向上を目的にした物、見た目を豪華にするギョーシェ(彫刻)を施したり、ブランドロゴを入れるだけの物等様々です。

 

話を戻しますが、我々修理業者が純正部品として使用している部品は、メーカーが出している部品では無く、その元となるムーヴメントを供給している会社の部品の場合が多いのです。当然各社がカスタムする前のベースムーヴメントですので、各社独自、オリジナル部分の部品は入手出来ない場合が多く、弊社でも以前からオリジナル部品の入手は出来ない為、交換が必要な部品がオリジナル部分にかかると、対応出来ない可能性が高くなります、と、お断りしてお預かりをしておりました。

 

逆に言うと、オリジナル部品以外は入手が出来ていたと言う事なのですが、昨今業界内で起きている、グループへの買収(ブランド、ムーブメント供給会社含め)によりそのグループ内のブランドの為にムーヴメントを供給する。他のグループや市場には部品を出さない。そんな流れが出来てしまっている影響により、今まで入手出来ていた物が入ってこない、値段が高騰している。特に消耗部品以外の受けやベース等、通常のオーバーホールでは、あまり交換の必要が無い部品が、現在ほぼ入手が出来ない為、ダメージの大きな御時計のメンテナンス対応が難しくなってきています。

 

そんな流れもあり、ジェネリックパーツについてですが、代替品と何が違うの?偽物、間に合わせって事?ぶっちゃけ純正部品以外を使用するのは望ましくないと考えています。アンティークや、メーカーサポートの終わったモデル等をメンテナンスするには部品作成や代替品の使用も必要になりますが、現行部品の流通しているモデルでは、やはり純正対応がベストな事は事実です。

 

「部品について」でも述べた様に、消耗部品に至るまで供給側の方針変更により入手が難しい。そんな現状に対応すべく、部品卸業者同士の在庫共有や、そのリストの作成等、対応出来る範囲を狭めず、尚且つメンテナンス料金を維持する努力を行っております。ですが、今のままでは現在持っているものが無くなれば終わり。の状況を変える事は出来ません、、勿論全ての部品に当てはまる事では有りませんが、対応出来ない御時計が増えていたり、部品入手にお時間を頂いたり、何より金額面でユーザー様にご負担をおかけするケースが多くなってしまい、対応策を模索する中で、開発、使用に踏み切る判断をしたのが ジェネリックパーツ です。

 

前置きが長くなりましたが、弊社がジェネリックパーツと言っている“代替品”には基準が有り、弊社の基準をクリアした部品のみを総称してジェネリックパーツとしてユーザー様と相談の上、使用するものです。代替品は昔から、特定のブランド用に存在していましたし、前に書いた様に、既に部品が無い御時計には重宝していました。しかしながら、品質面では基準が無く、ただ安価な物から純正部品同等の性能の物まで様々な物が混在している状態です。

 

仮に粗悪な代替部品を使用すると、その部品が壊れるだけではなく、周辺にまで悪影響を及ぼす可能性もあったり、防水性能に関係の有る部品では、最悪の場合御時計自体を壊す可能性さえ有ります。そんな中で「純正部品と同等、若しくはそれ以上の品質の物」を基準に弊社内でテストを繰り返し、共同開発をし、現在数点のパーツを認定して使用出来る状態となりました。これからもテストは繰り返して参りますが、残念ながらこの優れた部品も万能では有りません。

 

まず価格ですが、純正部品と比べてそれ程安く無い物も多く、金額を抑える目的と言うよりも対応出来る範囲を確保する為(勿論適正価格を保つ為にも)、もう一つ万能では無い理由ですが、メーカーによっては純正以外の部品を組み込んだ御時計はメンテナンスしない。そんなメーカーも未だ存在する為、また、次回メーカーメンテナンスに限らず、他の工房でメンテナンスした場合でも困らない。この基準を満たせない為、使用出来ない部品も有ります。いずれにしても使用にはユーザー様の判断を仰ぎ、メリット、デメリットをお伝えしてご指示頂く事が大前提となります。

 

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