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腕時計のベルト交換のメリット・リスク・手順

eastend 2017年10月4日 水曜日 by eastend

腕時計のベルトは既製品の組み合わせ以外でも構いません。実は、ベルト交換をする人もたくさんいます。たとえば、「ベルトが傷んでしまったから」「デザインに飽きてしまったから」など、さまざまな目的があるのです。ベルト交換はそれなりの費用がかかりますが、買い換えずに交換したことで得られるメリットも少なくありません。ここでは、腕時計のベルト交換をするメリットや交換方法を見てみましょう。

腕時計をベルト交換するメリット

一般的に、腕時計を捨ててしまうタイミングはベルトがちぎれたときだと言われています。しかし、思い入れのある時計ならベルト交換をして使い続けたいものでしょう。ベルト交換をするメリットは以下の通りです。

大切な時計を長く使える

大切な人からプレゼントされた腕時計は長く使いたいものです。ベルトがダメになっても時計自体が壊れていないなら、まだまだ使い続けることができます。時計自体はきちんとメンテナンスしたら何十年と使い続けられるので、ベルト交換をして自分の子どもに引き継ぐのもよいかもしれません。

新品さながらの状態に演出できる

腕時計の印象を左右するのはベルト部分です。時計本体は光沢さえあれば古く見えませんが、ベルト部分次第で年季の入ったものに見えます。好き嫌いが分かれる部分ですが、新品のような状態にしたいならベルト交換で十分です。

ベルト自体が長持ちする

革製品のベルトは汗や水分を吸うと劣化してしまいます。同じバンドのままだと、腕時計を使えば使うほど早くベルトが消耗してしまうため、複数のものを交換しながら休み休み使いましょう。ベルトを交換するだけでも長持ちするはずです。

利用するシーンに合わせて印象を変えられる

同じ腕時計でもベルト交換をするだけで雰囲気が変わります。ベルトの革の種類やカラーが変わるだけで違う腕時計に見えるはずです。ファッションに合わせたコーディネートもできるので、腕時計をファッションの一部と捉える人にはよいかもしれません。

腕時計のベルト交換の方法

市販の腕時計のベルト交換は自分でも交換できます。ただし、万一自分でのベルト交換に失敗した場合、修理会社では修理を受け付けられないことも少なくありません。基本は交換時にお持ち込みいただくのがベストです。自己責任ではありますが、自分でベルト交換をしたい人に向けて手順をご紹介します。

腕時計のバンドの構造

腕時計のバンドはバネ棒によって固定されています。バネ棒とは両端が縮む鉄の棒です。時計のケースに差し込むと、鉄の棒が広がって腕時計にベルトが固定できます。一度バネ棒を外し、新しいベルトに取り付けるだけでベルト交換は完了です。

使用する工具はバネ棒外しのみ

バネ棒を外すためにはバネ棒外しという工具を使います。1,000円前後で購入できるため、時計用の工具のなかでは安価です。基本的には他に使うパーツはありません。ただし、バネ棒が故障している場合、新品のバネ棒を購入する必要があります。

ベルトの選び方

時計本体の幅を測ってから好感するベルトの幅を決めます。同じ幅のベルトを選ぶだけです。定規で測るだけなので専門的な器具は使いません。時計本体の「コの字」になっている部分を測ってからベルトを選びましょう。

I型ベルトの交換方法

I型ベルトの場合、バネ棒外しを使ってベルト交換を行います。使用するのは工具のI型部分です。

1.時計のケースサイドにある片側の穴に、バネ棒外しを差し込んでバネ棒を外します。
2.片方を外したらもう片方も外します。
3.バネ棒に新しいベルトを取り付け、下の穴へ差し込みます。
4.バネ棒の先端をバネ棒外しで押し下げて取り付け完了です。

Y型ベルトの交換方法

Y型ベルトの場合、バネ棒外しを使ってベルト交換を行います。使用するのは工具のY型部分です。

1.時計とバンドの間にバネ棒外しを差し込み、下へ押し込みます。
2.片側が外れたら反対側も外しましょう。
3.バネ棒に新しいベルト取り付け、下の穴へ差し込みます。
4.バネ棒の先端をバネ棒外しで押し下げて取り付け完了です。

フィットパーツ付きバンドの交換方法

フィットパーツ付きのバンドの場合、バネ棒外しを使って一度ピンを取り外してから交換します。

1.工具の先端でピンを押し出し、ベルト本体からパーツを取り外します。
2.フィットパーツにバネ棒を通し、ベルト本体に取り付けます。
3.バネ棒を時計のケース穴に刺して固定したら完成です。

金属ベルトから革ベルトへの交換

金属ベルトの腕時計を利用していた人のうち、革ベルトに交換したいという人も少なくありません。腕時計をファッションアイテムと考え、ベルトを付け替えてオシャレにコーディネートしたいという考えです。

革ベルトへ付け替える判定基準

革ベルトへの付け替えができるかどうかは、腕時計のメーカーに確認するのが確実です。ただし、時計のラグとバンドの間にスキマがあるなら、ほとんどの確率で革ベルトに交換できるでしょう。もし、同じモデルで革ベルト式のものがあるなら、恐らく付け替え可能だと思います。

革ベルトに取り付ける注意点

元々が金属バンドの腕時計だった場合、革ベルトに交換することで違和感は生じます。多くの人が気になるポイントは以下の通りです。

・時計本体とベルトの厚みが不自然
時計本体に対して革ベルトが薄すぎると不自然です。どちらも同じ程度の厚さがあると自然な印象になります。ベルトを購入するときは、革の厚さが時計本体と同じ程度か確認しましょう。

・バネ棒の取り付け穴が合わない
ラグ内側の穴が時計から離れていると、時計本体とベルトの間に大きなスキマができてしまいます。遠目からではわかりませんが、近くで見ると非常に不格好です。また、ラグの部分の穴と時計本体が近いと、バネ棒の取り付けが難しくなってしまいます。

・穴ありならI型、穴なしならY型
革ベルトのベルト交換を行うときもバネ棒外しを使います。ラグの外側に穴があるならI型、穴がない場合はY型を使って作業しましょう。

ベルト交換の失敗事例

腕時計のベルト交換は難しいものではありません。しかし、自分でベルト交換をするときに失敗することもあります。

傷をつけてしまう

バネ棒外しがベルトや時計本体に当たって傷をつけてしまうケースです。特に、金属製の時計だと傷が目立ってしまうかもしれません。もし傷がついた場合、研磨や交換をしましょう。

ベルトのサイズが合わない

交換予定のベルトのサイズが合わないケースです。見た目だけで選ぶと失敗することも少なくありません。上述した通り定規で測るだけなので簡単です。ベルトの幅や長さも複数のサイズがあるため事前に確認しておきましょう。

落として壊す

バネ棒外しを使ってバネ棒を外すとき、勢い余って落としてしまうこともあります。時計は精密機器なのでそれだけで壊れてしまうかもしれません。作業環境を整えるとともに、きちんと固定して作業するようにしましょう。

腕時計のベルト交換は特別な機材もあまり使わないため、時計修理の中では個人でも行いやすいです。ただし、ベルト交換時に時計本体やベルトを傷つけてしまうことがあります。大変申し訳ありませんが、自分で修理や調整をした時計の腕修理は当店で引き受けておりません。もし腕時計のベルト交換で失敗するのが不安な方は、ぜひ当店に修理をご相談ください。